Road to 立体音響スタジオ (その2)
2023/1/22
- 奈良 -
塩屋駅から大和西大寺まで。
三宮でJRから近鉄に乗り換え。
駅で不動産屋さんとDavid島本さんと待ち合わせ。
David島本さんは奈良との県境の京都在住で「とーくばっく」という音楽制作に携わる人必携の本をつくったり、ボーカルエディット (録音された歌をいい感じに整える)を生業にしていたりのお方。
「とーくばっく」で島本さんの存在を知り、2017年にイヤホンズの「あたしのなかのものがたり」のボーカルエディットをお願いしてからのご縁。
奈良にスタジオ候補物件を見に行くので、予定が合えば久々にお会いしませんか?と連絡したところ、奈良のスタジオ可物件に興味があるので、内見も同行したい、とのお返事。
不動産屋さんとまた違った奈良観も聞けるしで奈良音痴な自分には渡りに船。
ありがたや~、と二つ返事で同行してもらうことに。
最初の物件は色々難ありすぎだったけど、二軒目、大和郡山にある敷地1000平米、延床面積300平米超の明治時代に建てられた箇所も残る巨大な古民家がヒット。
2階というか屋根裏の広大なスペースを、梁はあるものの、どうにかうまい具合に使えたらすごく面白いスタジオになりそう。天井の高さと平らでない形も最高。基本的に天井は高く平らでない方が音の響きが良いので。
音の響きで言うと、いかに音を閉じ込めるかという通常のスタジオの構造の逆を行く、音が出入りする、つまり音が外に筒抜けのスタジオが出来たら面白いなと思っている。
なぜなら音を閉じ込めようと防音すればする程、逃げ道を無くした音はそのスタジオ内を反射しながら彷徨う。そして音が濁る。なんだか人間の在り方と似てません?
もちろん音を逃すスタジオということはつまり音が外にダダ漏れ状態なわけで、近隣からの苦情フラグ確定。
そして、ということは、逆に外からの音も室内に入ってきまくりな訳で、録音時に不要なノイズ (車のエンジン音とか、工事の音とか)がマイクに混入することも避けられない。
苦情に関しては複雑な要素が多すぎるので一旦置いておくとして、録音に関してはそれでもいいかなと思っている。
例えば工事がうるさすぎたら工事が終わるまで録音しない、とか。
車の音など多少のノイズが演奏や歌に混入したとしても、よっぽど致命的にそれが楽曲を損なわない限り気にしない、とか。
現在すでにノイズ除去のデジタル技術はかなりのレベルまで来ていて、今後さらに洗練 & 進歩していくことも見込まれるし、とか。
どうしても静寂な環境で録音したければ、他のスタジオを借りて録るという手もあるし。
まあそんな自分の (あくまで現時点の)構想と、エアコンが存在しない時代「いかに夏を快適に過ごすか」を主眼に、雨漏りしないギリギリのラインで通気性を出来るだけ良くするように建てられた(と不動産屋さんから聞いた)日本家屋は相性が良いなと思った。
卵が先か鶏が先か。どうせこういった日本家屋を箱にスタジオをつくるなら、その箱の個性を利用したスタジオにしないとつまらない、ということでもあるのだが。
その後、島本さんのご友人の、古民家をリノベーションした素敵なアトリエにお邪魔させてもらったり、三郷町の物件を見たり、併設されている鮮魚販売コーナーにときめきつつも、買ったところでどうしようもないというジレンマに悶えながら、大起水産という初めての回転寿司屋さんでお寿司を食べたり、島本さんおすすめの宝山寺や生駒、精華町などをまわってもらったり。
その間、奈良在住のLOSTAGE五味岳久に逐一報告してたんだけど、以前と違って、俺の奈良移住に興味を失ったのか、全体的に気のない返事。
気分屋だしなー。でもそれはそれでなんか妙によかった。そういうの正直な人好きだからか。
最終的に高の原で下ろしてもらい京都駅から新幹線で帰京。