帰郷の夜の雑そうめん

旅行でしばらく家を空ける際、特に夏は冷蔵庫の中を眺め出発日から逆算して食材を使い切りますよね。つまり旅を終えて家に帰り着いた直後はストック(生鮮)食材が不足した状況になりがちという。だからまあどっかで適当に食って帰っかー、となることも多いですが、翌日からまた始まる日常にソフトランディングするかのように、家にあるものだけでチャチャッとこしらえた質素なものですます晩餐もこれまた良いものです。

楽しかった記憶と疲れた体で、出発前の状態から何ひとつ変わらない冷蔵庫の扉を開き「さてどうしたものか?」と考える。映画ならきっとこのシーンは冷蔵庫内奥に仕込んだカメラからの画角で、脱力したアホ面の自分を収めたカットになるんだろうな、とか取り留めのないことを頭の片隅に浮かべながら。

今日はそんな感じでつい先程平らげたばかりの一品。冷蔵庫の上段に1週間程鎮座していた作り置き、というか持て余していたと言った方がしっくりくる中華っぽいタレ(?)と玉ねぎみじん切り、すりごまを和えたそうめん。


冷蔵庫にあったタレ: ねぎ、しょうが、にんにく、それぞれのみじん切り、塩、砂糖、醤油、黒酢、胡麻油を混ぜてあったもの

このタレは茹で鶏や茹で豚、茄子や青菜などの野菜を蒸したり炒めたものにかけたり使い勝手が良い万能なものな為、うちでは錬成頻度が高い。なのでこれを読んでいるみなさまも、好みの味のバランスで多めに仕込んでおくと(今回のように)「お前、めっちゃいいところに現れたな。ちょっといい?」ってケースが発生しそうです。

玉ねぎを刻んで入れたのは、白ねぎの代わりにフレッシュな甘味と辛みが欲しかったから。玉ねぎは白ねぎより断然日持ちしやすいので、白ねぎは使い切っても玉ねぎは野菜室で留守番させますよね。だからこの状況でもやつはいた。そこにすりごまもプラス。うちは容器に炒りごまを入れておいて、毎度使う分だけくるくると挽く。即ち、すりごま=すり潰したて、を意味するので、これもフレッシュな香り要因として召喚。

そしてできあがったのがこちら


まるで前回の焼きそば粉ソースの過剰さを差し引きゼロに揺り戻すかのような、ダシや旨み成分を削ぎ落とした、旅の終わりに相応しいそうめんを一口また一口と啜る度に、ワタクシの体は、旅の余韻をよそに、翌日からの日々の雑事に備えるべく、そのモードを少しずつ変質させていくのだ。

Next
Next

旅立ちの朝の茄子そうめん